限界効用(marginal utility)

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大谷選手が2年ぶりにMVPを獲得したのだが、個人的にはこれが3年連続でないことに納得できていない。ジャッジ選手が大活躍をしてたくさんのホームランを打った昨シーズンにあっても、私の中では大谷選手がMVPだ。

何れはそれを破る選手が出てくるだろうことが想像できるジャッジ選手よりも、打者としての規定打席と、投手としての規定投球回数の双方に達した大谷選手を超える選手が、少なくとも私の生きている間に登場してくるとは到底想像がつかない。

MVPは誰か、という論争が収束しないのは誰もが納得できるような計算式、尺度がないからに他ならない。尺度がないのだから、「では投票で決めよう」ということに決めた以上、それはフェアであり、その意味においては納得しなければならないのだろう。

ただ、一方で隠された「アンフェア」については、行動経済学や社会心理学をかじったことのある人でなければ見落とす可能性がある。それは「限界効用逓減の法則」である。

ちょっと難しい言葉である。そもそも「効用(こうよう)」が難しい。経済学用語だ。「うれしさ」「幸福感」といったところだろうか。「逓減(ていげん)」の方は漢字が難しいのだが意味合いは「減っていくさま」ということで難しくもないだろう。

問題は「限界」という言葉だ。「もう限界!」などと私たちは「限界」という言葉を使うのだが、経済学分野ではそうではない。ここはウィキペディアの記載をお借りしよう。

“経済学における「限界」とは、財やサービスなどの変数を微少量だけ増やしたときの、(その変数に依存する)別の変数の追加1単位あたりの増加分もしくは増加率を表す。数学の微分と同じ概念”

(ウィキペディア「限界(経済学)」より一部可変)*

なんのこっちゃ、という感じだろうか。なかなかハラオチ出来そうもない概念であるが、「限界効用」とは「何か嬉しいことがあったときの、ほんのちょっぴりの幸せ」みたいなものだ。

思いがけずプレゼントをもらう。先生にほめてもらう。電車に間に合った。私たちの日常は嬉しいことと、そうでないことの繰り返しだ。

ただ、あいにくのところこの「限界効用」は「逓減(ていげん)」するらしく、それはもはや万国共通の「法則」として知られている。逃れられそうにないのだ。

今日の夕食は私の大好きなカレーだ。明日は、、、明日もカレーだ。明後日も?え?カレーなの?と、毎日、好物が出てくるからといってその幸福度は維持されるというものではない。私たちは「飽きる」のだ。

ということで大谷選手。2021年の投打二刀流で大活躍をみた野球ファンは、もはや規定投球回と規定打席の両方達成くらいではそれはもはや「見飽きた」のだろう。恐らくであるが、2021年、大谷選手がケガで全休だったら2022年はMVPだった、そんな風に思えるのだ。

以上

*ウィキペディア「限界(経済学)」

限界 (経済学) - Wikipedia

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