バンドワゴン効果( bandwagon effect )

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インバウンドという視点からすれば外国からのお客様が訪日してたくさんの買い物をしてくれるというのは歓迎すべきなのだと思うのだが、このところの京都の”惨状”はおよそ「歓迎すべき」という感覚とはかなり違っている。

清水寺周辺には外国人観光客ばかりで、レストランでの食事はおろか、少し疲れたからといってカフェで休もうかというのもままならない。どこのお店も行列にならばなければいけないからだ。

先日は錦市場を散策しようと出かけていったのだが、細い道にあふれんばかりの人が集まっており、車の渋滞ならぬ人の渋滞がおきていた。あまりの人の数で数分間、前にも後ろにも進むことが出来ないのだ。

まさか錦市場などはおそらく外国の人もその存在を知らないだろうとタカをくくっていたところだったが、完全な裏目であった。京都のインバウンド、どうにかならないものだろうか。

今日は今日とて懲りもせず、またしても京都観光を試みたところである。何のことはない、やはり私は京都が好きなのである。とはいえ、さすがにもう京都の中心部、メインストリームは避けようということで出かけたのは宇治駅である。ここには平等院があり、訪れるのは学生時代以来だ。

宇治駅についてみると、さすがに宇治茶で有名なお茶の街、緑茶を出している喫茶店が町並みを形成している。まだ10時前ということもあってか、お客さんのいるお店はあまり無い様子だったのだが、一軒だけ突出して行列をなしているお店があった。それも10人、20人というレベルではなく行列の先頭が霞むほどの人数が並んでいる。

果たしてこれだけの人数をどのようにさばくのだろう。怖いもの見たさも手伝って少しだけ並んでみることにした。10時を過ぎた頃だったろうか、その行列が少し動き始めたのであるが、何のことはない、前方にある機械が整理券を発行していたのである。私が受け取った整理券には「48番」とあり、今時のIT技術といおうか、QRコードをかざしてスマートフォンで検索してみると「80分待ち」と表示された。

何より行列にずっと並ばないで済む、こうしたサービスはうれしい。その80分は無駄にならず平等院周辺を観光することが出来るというわけである。

さて、このような「行列」の存在が「きっとこのお店はよいお店なのだろう」と思わせる効果のことを心理学ではバンドワゴン効果と呼称する。マーケターはその効果をよく知っているので、ちょっとズルい戦法としてサクラ、つまり身内の者やアルバイトとして人を雇って自分のお店に並ばせたりもする。ネットでの評判、星の数を増やしたり口コミによい評判を身内が書いたりする戦法もおよそバンドワゴン効果を狙った現代版のズル、といったところだろうか。

さて80分過ぎてお店に戻り期間限定の抹茶パフェを頂いた。この「期間限定」戦略もマーケターはよく知るところであり、そのマーケット理論は「希少性の原理」という戦略である。

さて、大きな竹筒には抹茶だけではなく果物やヨーグルトも入っていて飽きさせない味だ。空腹だったこともあってとても美味しく頂いた。その味にはおそらく「希少性の原理」と「バンドワゴン効果」が隠し味として加わっていたように思える。

以上

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