デジタル時代にあって、何故だかアナログなカードを使った対戦型のゲームが大流行りのようだ。興味のない人にしてみるとたかだか紙にイラストと何やらよくわからない数字が書かれているだけの代物なのだが、これがどうして巨額のプレミアム価格になったりもするので驚きである。
カードショップでの盗難事件が相次いで報道されだしたのは昨年あたりからだったろうか、中には1枚で1,000万円もするものもあるなどと聞いて、目をまわしてしまう。
私が子供の頃にもいわゆる「カード」というのは確かにあって、その代表選手はカルビーがスナック菓子の付属として添付していた「仮面ライダーカード」だろう。遠い記憶では、ニセ仮面ライダーが一同に揃っているカード1枚を、近所の友達が持っているカード5枚と交換したことがある。カードによって“付加価値”がつくという構図は別に今、始まったことではない。
少し状況が違うのは、その当時は「レア」なる概念が無かったか、あるいは十分に認識されていなかったところだろうか。恐らくは私が所有していたニセ仮面ライダーのカードも、他のカードも印刷数としては同じだったことだろう。最近のカード(トレーディングカード)はもともと印刷数を限定して「レアカード」と呼称することが当たり前になった。
この「レア」という概念は、マーケティング戦略においてはイロハのイともいえる「希少性の原理」に基づくものだ。人は数が少ないものにより魅かれるもので、それ故に江戸時代の浮世絵などはわざわざ印刷数を限定して販売していたわけだ。
希少性の原理は数だけに限る概念ではなく、時間的なものもある。テレビショッピングでよくあるところの「今から1時間だけ、限定です」もそれだ。
思えば私たちの人生もまた希少性の原理に基づいていると言えるのかもしれない。もし私たちに永遠の命が与えられていたとしたら、その価値は随分と違ったものになるに違いない。その違いはいかほどのものなのだろう。最近はバーチャルタレント、バーチャルアイドルといったものも登場してきたので、その行く末を見守っていきたい、、、なんて思ったけど確実に自分の方がこの世を先に去ることになるので無理か。
以上
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