BL0135 国内総生産(Gross Domestic Product、GDP)

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「世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーになれない」

 サッカー漫画『ブルーロック』が注目を集めている。日本代表のエースストライカーを育成すべく、集められた300人のストライカーが日本代表FWの座をかけて争うという、ちょっと斬新なサッカー漫画である。上述のセリフにあるように、この漫画では殊更に「エゴ」という概念にこだわっており、エースストライカーとなるためにはチームの和を重んじる姿勢ではなく、とにかく自分が点を取り活躍するという意識が重要らしい。

 私も小学生の頃、4年生のときから3年ほどサッカー教室に通っていたのだが、そこではサッカーの基礎であるチームプレイに重きが置かれていた。そうした指導に不満等はないし、間違っていたとも思わないのだが、エースストライカーのように何かを極めるのであれば、それなりの特殊な訓練などが必要なのかもしれない。

 「一億総活躍」なんていう言葉がいわれて久しい。いわば日本国民全員が活躍して日本を発展させるといった意味合いなのだろうが、この「活躍」という言葉がなかなかに難しい。全員がエースストライカーになるというようなことはできないので、一人ひとりが自分にできることをしていくということになりそうだが、サッカーのように「勝利」のような分かりやすい目標があるわけでもない。強いてあげるとすればそう、「国内総生産」なんてどうだろうか。

 国内総生産は「一定期間内に国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の合計」である。要するに労働や生産の成果といったところだろうか。GDPと呼ばれることも多い。

 注意点として、国内総生産には国内の海外企業での生産額は含まれるが、海外での国内企業の生産額は含まれない。また、家事労働やボランティアも数値として換算できないため国内総生産に含まれない。

 自由市場経済、資本主義経済は少なからず人間の「エゴ」によって発展してきたわけだが、そのエゴが環境破壊や犯罪などの問題を引き起こしてきたことも事実である。国内総生産という経済指標もその負の側面を受け継いでおり、豊かさの指標としては疑問が持たれている。そのため、環境破壊をもたらす経済活動の成果を差し引いた「グリーンGDP」や公害や軍事費など社会的に望ましくない価値を差し引いた「国民純福祉(NNW)」などの指標も存在する。

 今回のブログを書くことになったきっかけは人気クイズ番組『ネプリーグ』を見ていたときの出来事である。5人が5文字の回答1文字ずつ答えるコーナーで、その答えは「国内総生産」だった。誰かひとりくらい間違えるかな、と思いながら見ていたのだが、なんと5人全員が間違えてしまった。経済学部出身の私としてはせめて5人に1人くらいが国内総生産という言葉を知っていたらと思う。まあ、それも結局私のエゴかもしれないが。

(オウセイ)

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