「錬金術」という言葉を聞くと何を思い浮かべるだろうか。ゲームやアニメの世界ではお馴染みの言葉ではあるが、狭義には卑金属(価値の低い金属)から貴金属(価値の高い金属)を取り出すという研究分野らしい。錬金術というと黄金を生み出す異世界の魔法のように見えるが、実際は現代の化学などに通じる部分もあったといわれている。
残念ながら、現代の科学では金を簡単に得る方法は見つかっていないため、金の価格高騰が続いている。今回は「金本位制」を中心に金を巡る経済について考えてみたい。
金本位制というものは基本的に2種類あり、1つは金を貨幣そのものとして扱う制度である。時代劇で出てくる大判や小判などを使った経済をイメージするとわかりやすいかもしれない。この場合の利点としてはインフレーション(通貨の量が増え、価値が下がること)が起きにくいことがあげられる。反面、経済が発展してくると、金が増えない限り、貨幣が足りなくなっていくという問題がある。
もう一つの金本位制は、金をいくらで売るということを決めておく制度である。これは金の価格を決めておくと同時に貨幣の価値を決めておくという側面もあるといえる。金をいつでも一定の額で買えるため、通貨の価値が落ちにくいということだ。
歴史的に有名なのはブレトン・ウッズ体制だろう。ここではアメリカドルと金を交換する際の比率が固定されていた。このとき、他国の通貨とアメリカドルとの交換の比率も固定されていたため、世界経済が安定していたといわれている。しかし、ベトナム戦争等にともなうアメリカの出費の増加から、アメリカドルの発行が増えた一方で、金の産出量は増えなかったため、金が足りなくなり、ブレトン・ウッズ体制は崩壊することとなった。
そういうわけで、金の価格は変動するようになり、各国の通貨の相場(交換の比率)も変化するようになった。その昔はゴールドラッシュなど金の産出量が増加する状況もあったが、現在では金の産出量が大きく増えることはなく、金が安全資産と呼ばれるようになった。故に、現在の金の価格高騰の原因は、通貨の価値や信用が低下していることだといわれている。
金という物質は中性子性同士の衝突という宇宙のビッグイベントによって生まれるらしいのだが、個人的なイベントとしては近々ハウステンボスに旅行する予定がある。憧れの異世界なんてうたい文句のCMを見たことがあるが、錬金術なんかにも出会えるだろうか。
(オウセイ)


コメント