「頭痛持ち」である。朝、目が覚めると何故だか強烈に頭が痛い、といった症状は学生の頃によくあった。いまはそれほどの痛みではないものの、それでも時折、頭が痛くてしんどい日がある。それ故に頭痛薬、つまり沈痛解熱剤をいつも持ち歩いている。
一体どんな理由で頭痛がするときがあるのかは自分でもよくわからないのだが、以前、会社の同僚が「気圧の変動で頭痛がする」と言っていたので、自分もそうかもしれない、と思い頭痛がするときは天気を確認するようになった。
先日は旅行先で頭痛に見舞われたのであるが、いつも頭痛薬を入れているポーチが旅行カバンに入らなかったためにポーチを旅行に持って行かなかったことがアダとなった。頭痛薬を持って行かなかったことに、頭痛になってようやく気付いたのである。それにしてもこの1,2か月は頭痛が影を潜めていたのに、頭痛薬がないときに限って頭痛になるなんて。
「マーフィーの法則」というのを聞いたことがあるだろうか。オリジナルの意味は「失敗する可能性のあるものは、失敗する」という“法則”なのだそうだが、もちろんそんなことが事実であるハズはない。スポーツ競技であっても、もちろん誰しもが自分が失敗する可能性を排除することが出来ないだろうが、失敗しない人は失敗しないし、失敗する人は失敗する。「必ず失敗する」などというのは幻想でしかない。
それでもこの「マーフィーの法則」が以前、バズったのは、「あるある」をうまく言い当てていたからだろう。「高額な商品に限って故障する」とか、私のように「薬を持っていないときに限って病気になる」というのはマーフィーの法則で説明すると、おもしろおかしいのだ。
マーフィーの法則そのものが学術用語ではないのだが、学術用語としてネガティブなものの方がよく記憶される、という認知バイアスとして「ネガティビティバイアス」なるものが私たち人間には誰しもあるらしい、といった研究結果は出ている。楽しかった旅行の記憶として、唯一、ランチを食べ損ねたとか、自分だけ外れクジを引いたとか、旅行全体のうちわずか1つしかなかった残念なことだけが何故だか後になって唯一、思い出したりする、というわけだ。
然るに、私も頭痛薬を持ち歩いていたおかげで助かったということは百も二百もあるのである。その逆に、旅行に頭痛薬を持って行かなかったことがあったとして、旅行先では頭痛にはならずに何も問題がなかったことだって結構あるだろう。そうだというのに、そのような事なきを得たことなどは全く覚えてさえいないのである。
そして残念なことに今回の旅行で頭痛薬を持って行かなかったタイミングで起きた頭痛は突出して私の記憶に残ることだろう。仕方がない。私もまた多分に漏れず、ネガティビティバイアスという特性を持ち合わせているのだから。
以上


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