BL0065 効用(Utility)

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断捨離、などというが不要になったからといって色んな思い出が詰まっているものを処分するのは心が痛むものだ。

埼玉から東京へ引っ越したことで家の面積は手狭となり、特に本だとかノートだとかは増える一方なのでタイミングを見計らって処分している。本はそのままゴミ箱ということではなく、基本的には古本屋に買い取ってもらうが、大抵は購入した価格の10分の1にもならない。ただ捨てる手間が省けるし、地球規模でみればエコ活動であり悪くない。

ノートの方も捨てるときには思い切りが必要だ。書いていた当時はおよそ大切だと思っていたことが詰まったノートが、しかしながら数十冊、ともなると我が家には置いておける場所がないし、読み直す可能性もそれほど高いものではない。

思い返せば埼玉からの引っ越しのときにはもっといろんなものを捨てたものだ。子供がたくさん持っていた、読まなくなった古い漫画雑誌も可哀そうだがかなり処分してもらった。私の方では楽器に興味があったのでギターやベース、シンセサイザーなどは全部処分した。ゴルフもしばらくしていないのでゴルフセットも全部処分してしまった。

さて、経済学分野で重要な概念であるところの「効用(Utility)」とは、平たく言えば「幸福度」のことである。楽器を弾いていたころのギターの価値は私の効用を高めてくれるものであったし、ゴルフをしていた頃のゴルフクラブもまたそうであった。そうはいってもまだ「思い出」という視点では価値がゼロになったわけでもないだろう。

ゴルフクラブでよく愛用していたクラブは「ユーティリティ」クラブである。ウッドとアイアンの両方の機能を合わせもつもので、あまり距離が出ない私にとって第2打、第3打とフェアウェーから打つ時には大抵、このクラブを使ったものだ。

その頃は今のような経済学の知識は全然なかったのであるが、経済学を学んでいるいまユーティリティ(Utility)という概念が極めて重要な概念であることを知り、ふとあのクラブのことを思い出したりもする。ユーティリティという概念はその意味でも多義性があり、幅広な概念ということでもあるのだろう。

以上

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