BLO119代替品の脅威(threat of substitute products)

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 「テレビはオワコン」といわれる時代らしい。インターネットや動画配信サービスなど、好きな時間、好きな場所で見られるデジタルメディアの台頭が背景にあるようだ。多様なコンテンツが普及し、視聴者の選択肢が増えたことは望ましいが、メディア業界は強力な代替品を前に苦戦を強いられているのかもしれない。

 ある商品の代わりに使われるもので、同じ目的を果たす別の商品のことを代替品という。例えば、「炭水化物を摂取する」という目的があり、米が手に入りにくい状況である場合、パンや麺を代替品として使用することが考えられる・

 アメリカの経営学者マイケル・ポーターは、ファイブフォースという業界の収益性を決める5つの要因を提唱した。その一つが「代替品の脅威」である。代替品によって既存商品のシェアが奪われてしまうリスクのことだ。

 例えば音楽業界では、iPodという人々の生活習慣に影響を与えるイノベーションが起こり、音楽配信サービスやYouTubeといった手軽に音楽を聴く手段が増加した。こうした結果、CDの売り上げなどが減少したと考えられる。

 スマートフォンのような複数の業界にとって脅威となる代替品もある。カメラ、計算機、パソコンなどの売り上げは少なからず影響を受けていると予想される。先ほど述べたiPod

もスマートフォンによって衰退した商品の一つだ。

 とはいえ、代替品の存在が全て脅威というわけでもない。回転寿司は、コストパフォーマンスに優れた代替品と考えることもでき、部分的には高級な寿司屋の顧客を奪うこともあるだろう。しかし、高級な寿司屋が持っている品質やそれぞれの店の雰囲気など、回転寿司では代替できない面もある。また、回転寿司に行った人が高級な寿司屋に行きたくなるといったプラスの側面も考えられる。

 テレビの視聴率低下は、若者を中心に倍速視聴(動画を1.5倍や2倍の速度で見られる機能)によるタイムパフォーマンスの追求を行う人が増えたという要因も大きい。テレビのリアルタイム視聴はCMの多さなどもあり、テレビで見るとしても録画して視聴する場合もあるだろう。しかし、やはりリアルタイムで視聴したいという場合もある。大晦日の特別番組などはその代表例だろう。人それぞれ好みの番組があると思うが、「ゆく年くる年」を見ながら迎える新年には何ものにも代えがたいものがあると私は思う。

(オウセイ)

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